carnation
母の日の季節になると、お花屋さんは赤いカーネーションの鉢だらけになっていた。
捻くれ者の私は、これがどうにも好きじゃなかった。
売れ残ったカーネーションを思うともっと寂しかった。
数年前の母の日。
シロ.の近くにお花屋さんがあって、これでもかというぐらいのカーネーション祭りになっていた。
低学年ぐらいの少年とお父さんが花屋の前を通って、立ち止まり、
少年が「これがいい。」と言って、カーネーションの小さなブーケを買っていた。
気持ちが先にあると、どんな花も美しく感じてしまう。
私も気持ちをいただいた気分になった。
描いた絵をリソグラフで印刷してみた。
4版に分けて1色または、2色ずつ印刷していく。
印刷する順番で色合いが変わったりする。